どうもじぇふです。
今回は一技術者の仕事に対する考えを書いていきます。
私はざっくり言うとモノを作る仕事をしています。
その中でも形を考える人です。
「形を考える」と一言で言ってしまえばそんな仕事なのか、で終わってしまいますが、その形にはお客さんのたくさんの要望を詰め込んで”使えるもの”にしなければなりません。
そしてもう一つ、モノづくりとして”作れるもの”でなければなりません。
そうなれば当然お客さんが求めていた形をぶち壊してでも生産性を盛り込んだ形を提案して納得させなければならない時もあります。
ですが、基本的にはお客さんが欲しいモノを優先し、最小限に生産上でのリスクを潰して生産出来るものを作るのが理想と考えています。
- お客さんの理想の形、機能
- 生産出来る形
この二つが絶妙にマッチしたときに取引先とWIN-WINの関係になれると思うんです。
しかし、世の中は辛い。
理想の形状を日々追い求め、あーでもない、こーでもないと形状設定に追われる毎日を過ごしているのですが、「こんな形を作ってほしいんです!」と依頼を持ってくるのが営業さんたちです。
営業さんたちは「お客さんがこれを求めてるんです!こんな感じの作ってください!」と元気な感じで持って来るんですけど(元気かどうかは人による)
如何せん内容がない。
営業さん、用途はざっくりとは理解してるんだけど、それに使うためのサイズ感とか、どんな機能が備わってればいいとか、技術側として作る為の予備情報がなさすぎるんです。
ひどい時は「とりあえず見せたいから作ってよ」
あのさ、お客さんが欲しいとも思ってないモノ見せたところで意味ねえだろ。
欲しいと思わない試作一つ作るだけでどれだけ金かかってるとかわかってるのかな?
そんな営業さんには毎度「こことここがまずわからないと形すら考えられないんでしっかり聞いてきてください」とか出来るだけ分かりやすく欲しい情報を伝え、丁重に帰っていただいてます。
私としてはお客さんが本当に欲しているモノの情報が欲しいんです。それが分かればどんな形状のモノであったとしても、一生懸命考えて”作れて使えるモノ”として提供したいんです。
でも営業さんが「とりあえず作れればいいや」の考えでいるとそれはもうこちらと真逆の考え。
そんな考えで作ったモノは用途も分からないので適当に作るしかありません。しかしながら、最初はお客さんに気に入ってもらう為、要望を出来る限り詰め込んだ試作として作ります。
そしてそんな試作はいつも「初回見本ですからね。」って付け加えて営業さんに渡します。
しかしそんな用途も分からんモノは当然のごとく、2回目の依頼もなく消えていきます。
しかし、稀にそれがお客さんに高評価。絶賛。すぐにでも作りたいとか言ってくるやつがいます。
こういうやつが一番ヤバイ。最初に作った形状見本レベルの生産性も考慮されてないものを「これでお客さんにOKもらったから!!」
とか意気揚々と言ってくるんです。
私は渡すときに言っているはずです。「初回見本だ」と。これの意味をなんも分かっちゃいない人がいるんです。
”試作で出来上がったものは出来るモノ!”理論ですね。
その理論絶対許しません。
とりあえずこっちは”出来るモノ”なんて言って渡していないので丁重に「このままじゃ作れません」って伝える。
でもこういう人には常識通じない。
そこにモノがあれば出来るモノ、お客さんは喜んでいる。
そうじゃない。
最初にも言ったけど”お客さんが使いやすく”、”見栄えが良く”、尚且つ”生産性が良く”なくてはいけません。
生産性が悪い=不良品が出やすい→お客さんの使い勝手が悪くなる→クレームになる
ここを分かっていないと「客が喜んでるから」って単純な考えで製品にしようとするんです。
営業さんはお客さん相手なので、喜んでいただけるのが大前提ですからこのように間違うのも分からないこともない。でも自分の会社の事も考えて進めていかないと確実に後からボロが出てお客さんが激怒すると思うんです。
お客さんのその場の機嫌に振り回されず、伝えなければならないことは確実に伝える。
そうする事でその後の信頼関係に繋がるのではないかと思います。
なので日々、営業さんは形状の設定とか分かっていない分、私たち技術から出来るだけわかりやすく伝えてお客さんにも教えるよう言ってはいるのですが。。。
下の立場だし、余計言いづらいなあ。
今回の勿論営業さん全員ではなく、一部の方です。技術を学んだ営業さんとかだと自分で形考えて来てくれて助かったりもするし。(逆にガチガチに固められてやり辛い時も・・・)
会社の体制とかもあるだろうし、企業毎で全く違った仕事スタイルだと思うけど、技術者ってこんな考えの人もいるよって感じで覚えておいてほしいです。
それじゃあまた!!